琵琶法師の毛づくろい


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琵琶との出会い

ある年の、暮れのことだった。まにまアートの立沢雅人さんから電話がきた。
桐朋学園演劇科の先輩で、以前俳優座劇場で「肥前風土記」に出たのを見たという。
翌年上演を予定している「常陸坊海尊」への出演依頼だった.
題名は知っていたが、読んだことはない。役は[第二の海尊]とのこと。
何でも舞台で琵琶を弾くらしく、芝居の稽古までの半年間琵琶を習ってほしいという。
琵琶はみたことも触った事もないぞ。無謀じゃないのか。

結局引き受けることになり、薩摩琵琶正派師範の吉田央舟先生の所へ連れて行かれる。
先生も[第一の海尊]役で出演することになっていた。
真白い髪を長く伸ばし、着物を着て香を焚いた部屋で琵琶に囲まれ座っていた。
ウ〜ン何者じゃ?怖そ〜!

ここで初めて聴いた琵琶の音は懐かしく、これ聞いたことがあるなと思った。
元々遺伝子に組み込まれているような気がした。オレの身体に入っているぞ、と。
この時なぜかインドのシタールを思った。倍音のせい?

しかし聴くと弾くとは大違い。指は痛い、正座で脚は痺れる、音は覚えられない!
歌に至っては、ニワトリが首を絞められているような声しか出ない。
えらい事を引受けてしまったと後悔しきり。一歩も進まない恐ろしさ。
こんなんで芝居に間に合うの? トホホ。

午前中、近くの公園で練習するも、ほんの短いフレーズをただひたすら繰り返す。
ベンチで暮らす人には厭がられ、働く人にもうるさがられ、皆怖がって声もかけない。
夜の公園で悲鳴を上げた方、すみませんでしたネ。あれ、私でした。

ところが数ヶ月が過ぎ、芝居の稽古が始まる前に公演が中止。
作家の秋元松代さんが、やらせないと言い出したらしい。
まにまアートは、秋元作品の連続上演中で、「常陸坊海尊」は最後を飾るはずだった。

こういう事は黒澤明監督の「まあだだよ」のときにもあって、その時はバイオリンで、
チゴイネルワイゼンを半年かけて練習するというものでしたね。この曲知ってます?
鈴木清順監督の映画にも同名の作品がありますね。
友達に何人もの演奏をテープに入れてもらいました。こんな難曲、早弾きどうするの?
もちろんバイオリンなんか全く弾けません。どうなる事かと思っていた矢先、
レッスンが始まる前に、何と台本の決定槁でその役が消えてしまったんです。
スタッフ一同頭を下げ、飲み屋へと連れて行かれたものでした。
あの時バイオリンを習っていたら、今頃は、、、屋根の上の、、、?

さて琵琶はどうするか?
この件がなければ一生縁のなかった楽器だし、少しは弾けるようにもなった。
このまま辞めるのは忍びない。しかし何かに使えるのだろうか?
ちっとも進まない稽古を、芝居が無くなってもやれるのかなど悩みもあったが、
幸い先生のご好意で続けられることになった。
それに少し弾けるようになると、琵琶が少し楽しくなるものだ。

これが琵琶との出会いでした。琵琶は向こうからやってきたのです。
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by miminashibiwa | 2007-12-20 20:47 | 琵琶との出会い