琵琶法師の毛づくろい


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とおくまできたのか

2016年2月21日(日)
夕方、六本木の俳優座劇場で、桐朋学園演劇専攻49期ストレートプレイコースの卒業公演を観る。福田善之が書き1961年に初演された「遠くまで行くんだ」。越光照文演出。知り合いの学生が出ている。上演時間3時間45分と告げられ、一瞬ぞっとした。最近そんな長いものは観た記憶がないし、尻が持つのか怪しい。出演者には申し訳ないが、そんな長い学生の芝居を観続けられるのかと考えたとしても無理はないと思って欲しい。しかしそれは杞憂だった。途中から、すっかり舞台に引き込まれてしまった。技術的な巧拙など気にならなくなり、芝居自体、物語自体、今と重なる状況自体、もがいている演者自体に、自分の生きて来た時間や時代、これから起こるであろうことなど、様々なものが重なり合って見えて来た。正に今やるべき芝居だった。まだ演劇に力があるんだな。同じ作家と演出家のもう一本の卒業公演「袴垂れはどこだ」は観ていないが、その出演者も最後に加わった演出に頷いた。

私は40年前に、ここ俳優座劇場の古い劇場で演劇科9期の卒業公演をしていた。アリストファネス作、田中千禾夫台本、阿部廣次演出のギリシャ喜劇「女の平和」。とっくに劇場は新しくなっているので劇場に関する感慨はないが、卒業公演を観に来たせいか何やら思い出すことがあった。
そして客席に向かい疾走しながら「遠くまで行くんだ」と叫ぶ若者たちの声に、40年後のオマエは、「遠くまで来たのか」と思わず問うてしまった。しかしその答えは、言えない。

劇場で桐朋学園演劇科で習った石澤秀二先生に会う。今年は二度も会ってしまった。
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by miminashibiwa | 2016-02-23 01:47 | 耳ざわり通信