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琵琶法師の毛づくろい
by miminashibiwa

ガリヴァー旅行記蔵書票

ガリバー・ウエハースの公演が終わってしばらく経った頃、松菱多津男さんから
「The Illustrated Catalogue of Gulliver's Travels Bookplates of Tazuo Matsubishi」
ガリヴァー旅行記蔵書票(1987-2009)が送られて来た。

古書を買ったときなどに、たまに蔵書票が貼られている事はあるが、普段はお目にかからない代物だ。誰かに本を借りた時に貼ってあることも世の中にはあるのだろうが、私にはその経験がない。
以前、二子玉川のギャラリーにお邪魔した時、そこのオーナーの作った「ガリヴァー旅行記」蔵書票を目にして、それが松菱さんの注文による作品だと教えられた。
こちらは「ガリバー・ウエハース」公演を目前に控え、ガリバーに反応しやすい体になっていた。
早速、松菱さんに連絡を取り、スウィフト研究の清水明信州大学教授ご夫妻と、YUKIプロデュースの吉岡さんの四人でお宅へ伺った。2007~8年のことだろう。

松菱さんは「ガリヴァー旅行記」の収集家で、一体何冊お持ちなのか分らない程集めていた。
イギリスの初版本も、明治に出た日本語の初版本も見せてくれた。
松菱さんは、戦後原爆の落とされた広島を訪れその殺風景な景色に唖然とされ、原爆をテーマとした作品を読みふけるうち、原民喜の「ガリバー旅行記」にあう事になる。
被爆した作家が最後に残した作品がガリバー旅行記の再話だったことに異和を覚え、他の本と比較して読むうちに収集家となっていったようだ。
昨年は 邦訳「ガリヴァー旅行記」書誌目録 も出版。465点を掲載。
ここには、私が2008年5月18日に横浜にぎわい座で公演した「ガリヴァー ウエファース」のチラシも載っている。

松菱さんが国内外の版画家に制作依頼した190点が掲載された「ガリヴァー旅行記蔵書票」、
一点一点が美しく作家がどこの国のどのシーンを作品にしているかも興味深い。

在庫があるのか分らぬが、「ガリヴァー旅行記 蔵書票集」が春風社から出ているので、興味のある方はご検索あれ。
by miminashibiwa | 2012-12-11 02:42 | ガリバーウエファース