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琵琶法師の毛づくろい
by miminashibiwa

空は広いな大きいな〜

10月6日〜9日、秋田に行って来ました。語り琵琶「桜の森の満開の下」。
いや〜、何と言っても空が広かった。空は広いな大きいな〜と、口ずさんでいました。
まず行ったのは鹿角花輪。
新幹線で盛岡。そこから高速バス「みちのく号」で、鹿角花輪駅前。
バス停には、尋常浅間学校かづの分校の高木豊平先生が待っていました。
最初にお会いした時、高校の演劇部の顧問をしていたので先生と呼んでいます。

本日の公演会場「関善にぎわい屋敷」へ。
以前ここで「耳なし芳一」をやったのは、04,12,24雪のクリスマス イブでした。

書道展の真っ最中。語る場所を決め、琵琶の練習。寒いな〜。
宿泊のパークホテルへ行き、食事と休憩。
実はここで、重大なものを見逃した事があとで判明。赤面しました!

会場は書道展開催のため、お客さんが切れない。
公演を観に来た人も書を見ているので、本番直前になっても落ち着く所がない。
なかなかシビアな状況です。2週続けて、日常からそのまま本番をしなくてはならない。
弘前から友人の後藤夫妻が来てくれたので、一度も練習した事もない事を頼みました。
いいな〜、口で言っただけで本番の導入部分をやってもらえるなんて。
自分でも初めての事で、なかなかいいな〜と思いました。

本番は、自分には真っ暗でお客さんの顔が見えない。恐ろしいくらい見えない。
おかげで一度もやった事のない設定が生まれ、三日とも使いました。内緒。

打上げ。
教師だった伯父さんの仲間や教え子、以前「耳なし芳一」を見てくれた方、今日の公演に間に合わなかったが打ち上げに来てくれた人など、個別にお話が聞けて豊かな時間が持てました。
ここまで聞いてくれたかと、役者冥利に。いい空間、いいお客さんでした。
二次会からホテルに帰ると、すぐ電話。ラーメンを食わせたいと、神田さん。
紅蘭へ。あけびの突き出しがまず旨い。苦みがまたいい。餃子、ラーメン。うまい。
このラーメンの味は、松本の蕎麦屋のラーメンに似ている。酒のあとに最高。
今や宵越しの酒は控えていたのに2時過ぎてる。あと二日もあるんだぜ!

7日。鹿角花輪から「みちのく号」で大館へ。
後藤夫妻迎えに来てくれて、花善の鶏メシ駅弁を食べながら二ツ井のあさひの森へ。
ここからは、あさひの森の油井さんの運転で男鹿へ。空が広かった。
海の匂い、海辺の街の景色になりました。港町で育った者にはすぐ分ります。
急な坂の上にある大龍寺が、本日の会場。
庭越しに海が見えるお寺です。いい景色です。
庭に挟まれた部屋と位牌堂を見せられ、作品には位牌堂が似合うと思いこちらでやる事に。
すでにセッティングされていた椅子を、位牌堂に移し替えてもらいました。
作りは、なにか出て来そうな場所でしたが、お客さんの感想は聞けずじまい。
この日も暗かった。終わると、小学生が二人来ていたのにはビックリ。静かに聞いてくれました。何を思ったのでしょう、いつの日か、私の事もこの作品の事も忘れていいから、なにか思い出してくれたらいいですね。なにか。
能代の日景聡さんが終演後尋ねて下さいました。初対面。

今日明日は、二ツ井のあさひの森に泊まります。
ここはステンドグラスの作家、油井日出男さんのお宅でもあります。
実は、昨日泊まった鹿角パークホテルには、油井さんの作品が何点もあったのだそうです。
目の前にありながら、なにも見えずに泊まっていました。赤面の理由です。

シャワーから出たお湯、温泉でした。バスタブももちろん温泉。
山で採ったキノコがいっぱいのキノコ尽くし。美味しいですね。
亨子さんの味付けは、いくらでも食べられる薄味。酒飲みには最高。
直径30センチもあるキノコも出て来ました。
昨日ご夫妻で三分の一食べて、今日生きているので大丈夫です、と。
食べるときは、こんなにと思う程縮んでしまいましたがおいしい。
吟醸酒の古酒もいただきました。吟醸酒の古酒は初めて。美味しかった。
後藤夫妻にもらった陸奥八仙の原酒もまた、すいすいすすみます。
キノコの名前も覚えられませんでしたが、肉のような食感のものもありました。
自作のリキュールも出て、楽しい一夜はもう2時、、、。寝なきゃ!

8日。あさひの森。
03,5,10 「耳なし芳一」を語っています。ずいぶん昔です。
昼近くまで床の中。地鶏の生卵で、卵かけご飯。キノコもブランチに。
ここでは、蜂蜜も採るのです。日本蜜蜂、和蜂というのでしょうか?
ヨーグルトにかかっていました。昨日から、贅沢です。
丸太小屋で、ジャズを聴きました。ソニー・ロリンズ。
いいステレオセットで、長らくジャズ喫茶で沈没していた日々を思い出しました。
音のシャワーにマッサージされ、踊り出しました。踊ったんです一人で。
昨日の車の中も、懐かしいジャズが流れていました。20年ぐらいのご無沙汰でした。

早くから来たお客さんが、03,5,13鹿角の圓徳寺で「耳なし芳一」を見た方と、そのお友達。
実は今回、花岡の鳥潟会館で出来ないかと考えてくれていたんだそうです。
夕方、二ツ井のお蕎麦屋さん「わか松」が、出張蕎麦屋。普段なら出の前は控えるのですが、
一枚食べてしまいました。以前、長野の池田町でやった時も食べてしまいました。
掟破りの多い秋田公演です。
今夜は星がいっぱいでした。外から入る「あさひの森」なので、出の直前夜空を仰ぐと満天の星。今日は桜を星にして語ってみようと思いました。
ここもいい会場です。閉じ込められたので、誰も逃げ出す事が出来ません。
途中遅れて来た人が窓ガラスの横を通り、そのまま外で聞いていました。
誰か来たのは分ったのですが、外にいたとは驚きでした。

この日もお客さんは帰ってしまい、お蕎麦屋の奥さんの感想を聞きました。
夜もまた蕎麦が食べられ、蕎麦で一杯。好きなんです。今夜の酒は雪の茅舎。
キノコも出ました、直径30センチのキノコは本日軽く陽に当てられ、スルメのように焙って食べました。沢ガニもおいしかった。終了は2時半。寝床まで、外を踊りながら行きました。
踊る二ツ井でした。本当に楽しい二夜でありました。

こんなに毎日呑むなんて、最近の自分には信じられませんでした。昔は呑みましたよ。

9日。
朝6時に目が覚め、朝日がステンドグラスを通して入って来ます。
前日は遅く起きたため分らなかったステンドグラスの意味がよく分かりました。
早起きはいいよと言った油井さんの言葉を実感。
一枚だけずっと光を通すのがあり、見入っていました。睡眠時間3時間。
今日は、花岡の「鳥潟会館」へ連れて行ってもらいます。
空が広くて大きくて、豊かだな〜。
おととし小樽で鳥潟さんという方とカキの会で会いました。
この方のご先祖が、鳥潟小三吉という方。明治の頃ヨーロッパに渡り、サーカス一座を持ち大成功した方です。その小三吉さんが生まれ育ったお屋敷が、鳥潟会館になっています。
大館に行く事があれば、是非見てほしいと言われていました。

実はすっかり忘れていて、おととい男鹿へ行く車の中でその名前が出て思い出しました。
03年に鹿角で「耳なし芳一」を観た方が、ここでやりたいと思っていたようです。
油井夫妻、岩渕さんとご友人の5人で見学させてもらいました。
贅を尽くした建物と庭。案内の説明に聴き入るばかりです。
小三吉さんの衣装や鞄、ポスターなどを見、なにか繋がっているな〜と実感。

語り琵琶もやらせてもらいたいし、小三吉さんをベースにした何かもやりたい。
なにか違う力に導かれているような、勝手な思いをした事でした。

大館のKOWで珈琲。ジャズが流れるゆったりした空間。カウンターの目の前には油井さんのステンドグラス。お日様の動きでどんどんイメージが変わります。こういうものだったの?
マスターは、益田喜頓を彷彿とさせる飄々としたした方。
この方には嫌われたくないと思いました。お店は40周年だそうです。

大館から盛岡へ、高速バス。ガリバー・ウエハースのチケット申し込みが多い日でした。
新幹線で、駅弁「八戸小唄寿司」食べながら、深夜帰京。


* この旅は、書き漏らし、間違いが多そうです。ご連絡を。
by miminashibiwa | 2012-10-13 02:25 | 耳ざわり通信